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第二話 これは事実だにゃん(5) 「だからぁ、昨日おにいちゃんはあたしの事をバス停で助けてくれたじゃないのよぉ。わざわざ地面に膝をついてぇ……もう忘れちゃったの? ひっど〜ぃ」 自分の仮説に言葉を失ってしまった大樹に痺れを切らしたように、力いっぱい頬を膨らませながら睨みつけてくる少女の姿は、まるで頭の上にプンプクリンと言う擬音を乗せているようにも見えるが、対する大樹はキリキリと痛むこめかみを指で揉み解す。 何でこの娘はその事を知っているんだ? 俺が子猫をバス停で拾ったと言う事を……。 「もぉ、そのあと夜になったら嫌がるあたしの事をおにいちゃんたら無理やりお風呂に連れ込んで、あんな事やこんな事を……キャッ」 キャって……おいおい、そんな他人が聞いたら派手な誤解をされるような事をいわないで頂きたいんですが……てか、ちょっと待ってくれ? 昨夜の出来事(決してやましいものでは無い)を知っているという事は、本当にあの子猫だと言うのか? 真っ赤な顔をして両手で頬を覆いフリフリとお尻を振る少女とは裏腹に、大樹は茫然自失(いや、本当に一瞬意識を失っていたかもしれない)といった顔をしている。 「ちょっと待ってくれ……百歩……いや千歩譲ったとして、もしもキミが昨日の子猫だと言うのであれば、それを証明する事が出来るのか?」 疑心暗鬼に囚われながら言う大樹の一言に、少女は指をアゴに当て首を小さく傾ける。 ホレみてみろ。そんな非科学的な事はこの世に存在する事はないんだよ、その証拠に実際に彼女は困ったような顔をしているじゃないか。 勝ち誇ったような顔をしている大樹に対し、少女はアゴに置いていた指を眉間に当て、さらに悩んでいるように小さな唸り声を上げている。 「うーん……理屈はわかっているから何とか出来るかなぁ……基礎はできているんだから、あとは応用編というやつね? うん、やってみるよ」 少女は一人ごちながら大樹の顔にニコッと微笑みかけたかと思うと、やおらいきなり着ていたワイシャツを脱ぎだし、アッという間に初対面の時と同じ(素っ裸)姿になる。 「どわぁぁ、なっ、何で脱ぐ必要があるんだよぉっ!」 それまで着ていた洗いたてのワイシャツの白よりも、さらに映えるような白い肌をしたその少女から大樹は視線を慌てて逸らせ、背中越しにその少女に抗議の声を向けるが、少女の耳にはそんな台詞は届いていないようにも見える。 「だってぇ〜、もう少しで……」 少し熱を帯びたような声を上げる少女に、大樹は意味もなく(ある意味では意味があるのかもしれないが……)顔を赤らめてしまう。 なにをそんな艶っぽい声を上げているんだか……刺激強すぎ……。 続く……。 |
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