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<<   作成日時 : 2008/06/17 23:36   >>

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第五話 えらい事だゃん(20)

「何でもないっ! ちょっとした事故が発生しただけだ!」
 よかった……本当によかったぜぇ……不幸中の幸いというのか、あの現場を紅糸に見られていたら絶対にビンタだけでは済まなかったであろう。暁菜とあんな状態になっているのを目撃されていたら、間違いなくもっと痛い事をされているだろう。ヘタをすれば本当に『綺麗なお花畑見学ツアー(片道限定)』に旅立ってしまったかもしれないぜぇ。
 詳細がキッチンの向こう側の二人に伝わっていない事にホッとしながらも、大樹は目の前でうつむく暁菜に視線を戻すが、その顔はさっきとまったく変わっている様子はなく、チラッと視線を大樹に向けたかと思うと外すという動作を繰り返している。
 まいったなぁ……この気まずい雰囲気をどうにか打破する事はできないか……。
 キッチンからはトントントンとか、カチャカチャとかいう生活臭が漂う音と共に、
「海亜ちゃんそれを取って……ウン……って、ダメだよ、そんな物を入れたら……そんなのを入れたら絶対に美味しくないってばぁ、もしかしたらお腹壊しちゃうかも……」
 おいおい……君たちは一体何を作っているんだ? 腹を壊すって一体なにを入れようとしたんだ海亜の奴は。頼むから風邪をひいているうえにさらに傷心(ハートブレイク)中なこの俺にとどめを刺すような真似だけはやめていただきたいのですが……。
 キッチンに視線を向けながら、津軽海峡の水深にも似た深いため息を吐きだし脱力する大樹を見ていた暁菜は、その小さな肩を小刻みに震わせている。
「でもぉ、これを入れた方が絶対に美味しそうだよ? 栄養はある(らしい)し、ボクは大好きなんだけれどなぁ……おかか」
 おいおい、確か作っていたのはシチューだったよな? シチューに純和風であるおかかを入れるという感性が俺にはわからないし、わかりたいとも思わないぜ?
 おかかの浮いているシチューを想像した大樹は思わず顔をしかめていると、暁菜の肩の震えはさらに大きくなり、やがて、
「キャハハハ〜〜〜〜! おかしぃ〜っ!」
 堪えきれなくなったように大きな声で笑いはじめる暁菜。それに気がついた紅糸と海亜はキョトンとした顔をしてキッチンから顔を見せ、不思議そうな顔をして暁菜の事を見ており、隣にいた大樹も呆気にとられたような表情を浮かべる。
「アハハ、ホントおかしいよ? 大樹クンってそんな顔もするんだぁ……ちょっと意外かもしれない、ううん、すっごく意外かもしれなぁ〜い」
 遠慮なく顔をクシャクシャにしながら笑う暁菜の顔は、それこそ大樹や紅糸も見た事の無い笑顔を浮かべている。
 エッと……それって俺は褒められているんでしょうか?

第六話に続く……。

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