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<<   作成日時 : 2008/06/22 21:12   >>

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第六話 気持ちだにゃん(1)

「今年も来てしまった……この日が」
 期末試験を直前に控えた二月の半ば、男子も女子もともにどことなくソワソワとした雰囲気が教室内に流れる頃、例年と違って大樹の表情にゆとりがあるは、あの一件から、あの娘と微妙に距離が縮まっているような気がするためであろう。
「あたしはねぇ、思い切ってあの人にあげようかなぁって、キャハ!」
 可愛い顔をしていながらも、平然と残酷な事を言う娘。
「毎年の事ながら虫歯にならないか心配だよ……フフフ」
 鬱陶しそうな前髪をかき上げながら、当然のようにそれを受け入れる男子。
「――所詮はチョコレートを売りたい製菓会社に踊らされているだけなんだ……そう、本当の愛の告白はそんなものに惑わされるものではないっ!」
 こぶしを振り上げ正論を叩きながらも、その顔色は既に負け組みのように曇らせている男子。悲喜交々(ひきこもごも)の様子を呈し始めているのは、女子にとっては社交辞令の第一歩であり、男子にとってはそのステータスを図られるような日の前日である二月十三日。いわゆるバレンタインデーの前日だ。
「暁菜ぁ、帰りに一緒に買い物にいこ?」
 そんな二極化した教室でホームルームが終わるなり、大樹の隣の席に座る紅糸は、身体を反転させて斜め後ろに座っているツインテールの暁菜に声をかけると、既に二人の間で示し合わされていたのだろう、暁菜も優しい微笑を浮かべながらうなずき応えているのを大樹はチラリと覗き見する。
「だぁいき、オレらもどこか寄って帰るべか?」
 どことなくつまらなそうな顔をした卓也が大樹の首に腕を巻きつかせてくると、だらしなく制服を着崩している卓也とはま逆に、制服をきちんと着こなし、その性格はいたって温厚で真面目という事はツーポイントのメガネからもうかがい知る事ができる人物がじゃれあっているような二人に声を掛けてくる。
「道草はあまり感心しないが……お前らがどうしてもというのであれば……」
 なんだってクラス委員長である金丸信哉(かなまるしんや)が、不真面目のクラス代表のような俺や卓也と一緒にツルむのかというと、まぁ、たんなる中学からの腐れ縁というだけのせいだよな?
 人差し指でメガネをクイッと直す信哉に嫌味があるわけではなく、むしろ大樹たちをけしかける様な不敵な笑みを浮かべている。
 ったく、真面目なんだか、不真面目なんだかわからない男だな信哉という男は……五年近い付き合いになるが、いまだにこいつの真意が俺にはつかめないかもしれないぜ。

続く……。

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