マスターの呟き

アクセスカウンタ

zoom RSS ときめいてkoi!

<<   作成日時 : 2008/07/28 12:18   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

第六話 気持だにゃん(5)

「こ、これは……すごい事になっているなぁ」
 既に廊下にまでキャアキャアという女子の声が聞こえてきている教室の扉を開くと、そこでは既にチョコレートであろうプレゼントを貰っている男子と、教室の隅でそれを恨めしそうに睨みつけている男子という、確実に二極化している構図が浮かんでいる。
「金丸君! ハイこれ、あたしのぉき・も・ち」
 語尾にハートマークを付け、シナを作りながら信哉に小袋を渡す女子。その様子を恨めしそう(羨ましそう?)に見つめている一部男子だが、その中には卓也の姿が無い。
 ウン? なんだ卓也の奴、もしかして悔しくって学校休んだのか?
 まるで同士を探しようにキョロキョロと卓也の姿を探す大樹の肩を、何者かにポンポンと叩かれ何気なく振り向くと、そこには勝ち誇ったような顔をする卓也の顔が飛び込んできて、思わず大樹はのけぞってしまう。
「ダァッ! ビックリしたなぁ……なんだ、その気色の悪い笑顔は……」
 顔にある筋肉をすべて弛緩させたようにニヘラァ〜っとした顔をして大樹の顔を見下すようにしている卓也は、やがて大樹の目の前に何かをズイッと差し出してくる。
 ヲ? な、なんだぁ?
 あまりにも近寄っていたために大樹は必死にそれにピントを合わせるように瞳孔を収縮させ、その存在を確認すると、そこには可愛らしくラッピングされた小袋が持たれていた。
「フッフッフッ、悪いな負け組み……俺は今年から勝ち組の一員になったんだぁっ!」
 勝ち誇ったようにその袋を頭上高く突き上げると、高らかに笑い出す。
 悔しい……なんだか知らないが、悔しさが込み上げてくるぜ……激しく卓也に負けたような気がして仕方が無い。ちょっとヘコみそうだ……ぜ? って、ん?
 悔しさまぎれに大樹が机の中に手を入れると、その指先には入れっぱなしになっている教科書以外の何かが当たる感覚があり、恐る恐るそれを取り出すと、それまで勝ち誇っていたような顔をしていた卓也の顔色が一気に豹変する。
「なんだぁ、これ?」
 机の中にあった物は二つあり、一つは四角く可愛らしい包装紙に包まれており、もう一つは袋の口がピンク色のリボンで結ばれている袋だ。
 こ、これが噂に聞いた事のある『ばれんたいちょこ』というモノなのであろう……しかも、「机の中にそっと忍ばせる」という高等手法……。
「お、お前……それ」
 誇らしげに挙げていた袋を震わせながら、卓也はその二つと大樹の顔を見比べると、その表情は面白いほどに落胆していく。

続く……。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
ときめいてkoi! マスターの呟き/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる