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<<   作成日時 : 2008/08/19 18:22   >>

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第六話 気持だにゃん(7)

「んでもねぇよ……」
 機嫌悪さを含む大樹の語気に、紅糸の首はさらに傾くが、やがて諦めたように小さくため息をつくと、再び授業の準備に掛かる。
「静かにしろぉ、朝のホームルームをはじめるぞぉ」
 ガラリと教室の扉が開くと、このクラスの担任であり、女子からの人気投票ナンバーワンである水橋伸樹(みずはしのぶき)がそのスリムな身体で入ってくる。
「せんせぇ、なんだか嬉しそうじゃないですかぁ? もしかして意中の人からチョコレートを貰ったんじゃないですか?」
 女子の一人が声を上げると、そのざわめきが一気に教室内に増長してゆく。
「こらぁ、そう言う事を言うものじゃないぞぉ。ほれ、日直」
 取成す様に言う伸樹に促され日直の号令が響き渡り、大樹はお座なりに立ち上がる。
 人それぞれ……それにしてもこの二つって誰からなんだろう……見える所に差出人の名前はないし……まあ、義理チョコであるのは間違いないだろうけれどね?
 首をかしげながらその二つの包みをカバンにしまい込む大樹の事を、隣に座る紅糸は不機嫌そうに口を尖らせながらそっと見つめている。

「ハイ、高岡君いつもお世話になっているから、おしるしに」
 既に貰ったチョコレートは、小さい物を含めれば二桁に達成しようとしているが、徐々にそのありがたみは最初の頃より薄れているのは、まるで季節のご挨拶のような言葉が付いて回ってくるからなのだろう。
――お中元やお歳暮を貰う大人ってこんな感じなのかもしれないなぁ……。
「ども、ありがたく頂きますよ」
 それをしまい込むカバンは既にパンパンに膨れ上がっており、まもなく放課後を迎える大樹の気持ちには、さらに悶々としたものが大きくなってくる。その原因になっているのが、斜め後ろに座っている暁菜の脇に置かれている紙袋であり、その中身は恐らく大樹が想像している物であり、何人かの男子にその中から出した物をあげているのも目撃しているが、それが大樹に渡される事はいまだにない。
 ひょっとして俺の大いなる勘違いだったのか? 最近ちょっと距離が縮まり雰囲気もいい感じだと思っていたのだが、もしかして俺の勘違いだったのかなぁ。
 深くため息を付き、机に突っ伏す大樹を他の女子と話していた紅糸が覗き込んでくる。
「どした?」
 そういえばこいつからも貰っていないぜ……。

続く……。

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