マスターの呟き

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<<   作成日時 : 2007/03/18 20:50   >>

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第四話 同じ屋根の下(1)

「荷物はこれで全部ですか?」
 一度だけ訪れた事のあるつばさのマンションには、たくさんの段ボール箱が積み上げられており、虎太郎と直太郎はそれをレンタカーのトラックに積み込んでゆく。
「ウン、それで全部」
 普段は下ろしている髪の毛をポニーテールにしているつばさは、つけていたエプロンを外しながらホッとため息を吐き出している。
「意外に少ないね? これだったらトラックじゃなくってワゴン車でも十分間に合ったかもしれないよ。虎太郎、ちょっとお茶にしよう」
 六月に入り寒さを感じる日が少なくなってきた函館。今日も最高気温が二十度まで上がるという予報が出ており、Tシャツ姿の虎太郎も額に汗を滲ませ直太郎の投げてきた缶コーヒーを受け取ると一気に飲み干してしまう。
「はい、東京から引っ越してくる時にほとんど捨ててしまいましたから……」
 タオルを直太郎と虎太郎に渡すつばさはニッコリと微笑みながら、ガランとした部屋の中を見渡すと、感慨深そうな顔をしている。
「つばささんって東京から来たの?」
 それは初耳だぜ? ちょっと都会的な雰囲気があるかなって思っていたけれど、東京から来た人とは思わなかったぜ。
 まるで憧れの人を見るような顔をしている虎太郎に、つばさは少し恥ずかしそうな顔をしながら顔の前で手を振っている。
「アハハ、東京っていっても本当に片隅の方だから……本当にたいした街じゃないよ」
 恥ずかしそうな顔をしているつばさに、虎太郎はブンブンと首を振る。
「それでもすごいよ……修学旅行の時に東京に行ったけれど、すごい街だと思ったのを覚えているなぁ。電車は一杯走っているし、人が一杯いるし、でっかいビルが一杯あってまるでアニメとかに出てくるような街のイメージだったなぁ」
 都会に憧れたような顔をしている虎太郎に、直太郎も呆れたような顔をしている。
「お前なぁ、そんな田舎者丸出しで東京に行ったんじゃないだろうなぁ……親として恥ずかしくなってくるぞ」
「だってさぁ、ビルの真ん中にタマが付いているビルなんてあったんだぞぉ? まるでアニメに出てくるロボットの基地みたいだったんだからぁ」
 言い返す虎太郎に、直太郎とつばさは顔を見合わせながら大きな声を上げながら笑い出す。
 なんも、笑う事ねぇべさ……ホントに驚いたんだからぁ。
 口を尖らせながらも、虎太郎は恥ずかしそうにタオルで額の汗を拭う。

続く……。

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